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母として、FPとして。子どものお年玉についての一考察

みなさん、ごきげんよう。FP黒田です。

先日、All Aboutさんのこんな記事を興味深く拝読いたしました。

子どものお年玉は貯金させないほうがいい理由とは

詳しくは、コラムをご参照いただきたいのですが、文中で筆者・午堂 登紀雄さんは、ひとつの提案をしておられます。それは、「「貯金させず、全部使わせろ」というもの。つまりお年玉を何に使うかは子どもの判断に任せ、より満足度の高いお金の使い方を、本人の経験から学び取ってほしいということです。」(本文より引用)

なるほど、と素直に感心いたしました。

私は、高校生や大学生など、イマドキの子どもたちを対象に金銭教育の一環として、ライフプランセミナーを実施することがあるのですが、そのとき必ず、「100万円あったら、何をする?」という質問をします。

質問の目的は、100万円の資金使途が、人それぞれ違うように、ライフプランも十人十色である、ということをお伝えするため。でも、実際に聞いてみると、色々な意見が飛び出して、単純に面白いからということもあります。

そんなときに、「全部貯金します」なんて答えばかりだと、堅実だなあ、と思う反面、それだけじゃ、つまらないと感じてしまいます。

なぜなら、お金というのは、使うことで価値を発揮するものであり、使わなければ、ただの日本銀行券に過ぎないからです。

ですから、世界一周旅行に行きたいとか、海外留学したいとか、マイホームが欲しいとかの理由(ライフプラン)があって、毎日コツコツと節約して頑張っている人は素晴らしいと思いますが、もはや、貯蓄や節約自体が趣味になっている人は、「あなたは、そのお金をいったいどうしたいのか?」と尋ねずにはいられません(多くの人は、将来が不安だから、とにかく貯めておきたい・・・とおっしゃいます)

さて、本題からやや脱線してしまいましたが、とにかく、全部もしくは一部を使って、小さい頃からお金の使い方を自分で判断させるというご提案は、FPとして賛成です。

さらにいうと実体験から、子どものときに使っておけば良かったとココロから後悔しています。

なぜなら、優等生だった私は、お年玉をすべて「貯金しておいて」、と親に差し出してしまい、結果として、親がすべて他のものに使い込んでいたから。しかも、私の教育費などに充当されるならまだしも、すべて自宅の家電製品の買い替えに使ったというではありませんか!!!

横領(!)が発覚した当時(高校生)は、親への恨み骨髄でしたが、今では、家計が大変だったことも理解できますし、母から娘への教訓のひとつ(親を信用するな?)として伝えています。

ということで、娘が生まれてから頂戴したお祝いや児童手当、お年玉など子ども名義の貯金通帳は、定期的に娘に見せていますし、小学生高学年となった今年から、お年玉は、自分で使っても良し、貯めても良しと、判断を任せています。

当初は、「お年玉の10%を使って、残りは貯金する」と言っていましたが、なんだか結構な金額をもらった様子で、「10%だと多いかなあ」と悩んでおりました。

ちなみに、豪快な両親に似ず、生真面目な娘は、自分から進んでおこずかい帳を買い、家事のお手伝いなどで得た報酬(お風呂掃除10円、トイレ掃除5円など。金額は娘本人が決めました。激安賃金です(笑))など、収入・支出をきちんと記入しています。

もらったお金は、貯金箱にコツコツ貯めて、「貯金って楽しいねえ」ですって。

今年からジュニアNISAも始まりますし、先日「株式投資してみる?」と言ったら、目を輝かせていました。何にも教えたわけではなのですが、いいやはや、大したもんです。