みなさん、ごきげんよう。FP黒田です。
今年3月の確定申告書類を作成していたときのこと。
ある取引企業さんから送られてきた支払調書と、手元のデータの金額が合いません。
「うむむ、おかしいな」と思いつつ、担当者さんに確認したところ、ちゃんと指定口座に振り込みは完了しているとの回答。でも、振込日を見ても、銀行口座にその企業さんから入金された履歴はありません。
その後、メールでやりとりした結果、私の独身時代の古い銀行口座の登録が残っており、そちらに入金されていることが分かりました。
「ええっ、あの銀行口座って、まだ残ってたの~!!!」
探してみましたが、その銀行口座の通帳やキャッシュカードなどは一切ありません。
推測するに、結婚して引っ越しなどをしたため、解約の際は、色々と煩雑な書類の提出が必要となり、手間ヒマが掛かるだろうと思って、残高をゼロにして放置しておいた模様。
ざっと見積もっても10年以上は取引がありませんので、まさに「休眠口座」です。引っ越しをしていますから、登録されている住所に銀行から通知が来ても、知る由もありません。
とりあえず、口座残高を確認しようと、そのメガバンクの口座がある支店に電話して、事情を説明したところ、「まずは、通帳やキャッシュカードの紛失届の手続きをしますから、お時間のあるときに、最寄の支店窓口に行って出金と解約の手続きをしてください」とのこと。
とくに、戸籍謄本や住民票などの公的書類は必要なく、運転免許証と印鑑を持っていけば大丈夫、と言われてほっとしました。
それから、仕事の合間を見て、支店の窓口に行ったのですが、出てくるわ、出てくるわ。大学時代に作った別の支店の普通預金口座も含めて、5つもの口座があったのです。
それらをすべて解約するまでの所要時間は約1時間。色々な書類に記入やら、署名やらをしましたが、思っていたよりあっさり終了しました。
一般的に、休眠口座の存在が表に出るのは、相続発生時など。
日本では、銀行の預金は商法上の消滅時効が適用され、5年間取引がなかった場合には時効によって権利が消滅(信用金庫の預金は、民法上の規定で10年)します。
私が引出しできた通り、一般的には、これを過ぎても通帳と印鑑があれば(私はこれすらなかったのですから(苦笑))、預金を引き出すことが可能です。
ただし、ゆうちょ銀行はちょっと注意が必要かも!
2007年の郵政民営化によって、貯金の種類や預入期間によって、取扱いが変わっているからです。
詳しくは⇒「2012年2月23日 長期間ご利用のない貯金のお取り扱いについて」
いずれにせよ、使っていない口座は、早めに解約等の手続きをしておくことが肝心だと、身を持って思い知らされました。
金融庁の調査では、毎年900億円もの休眠口座があり、ボランティアや国益のための起業援助など、その有効活用も議論されています。
要するに、いずれは国に’没収’されてしまうわけですから、「それじゃあ、あんまり!」と思う人は、そうなる前にきちんと手続きしておきましょう!