みなさん、ごきげんよう。FP黒田です。
今月10日のNHKあさイチの「がんになったときのお金」特集に出演しました。
さすが「NHK」。さすが「あさイチ」という感じで、仕事関係者はもちろん、全国のがん友や知人・友人・親類縁者などなど。各方面から「観ました!」というたくさんのご連絡を頂戴しました。
みなさん、ありがとうございます。
そして、NHKさんには、今回「がんとお金」というテーマを取りあげてくださったことを深く感謝します。
私が2009年に乳がんに罹患して以来、FPとして、乳がんサバイバーとしてがんとお金に関する問題について取り組んできました。
以前よりは、がんになったときにかかる医療費や治療費のこと。休職や離職で収入が減ってしまうことなどが注目されるようになりましたが、まだ十分とはいえません。
とくに、がんでお金に困ったときに、どこに相談して良いのか、途方に暮れる患者さんが多いのが現実です。
以前、医療機関でがん患者さんの相談を受けたときのこと。
「お医者さんにお金のことを話すと、自分の命とお金を天秤にかけているようで言い出せなかった。
相談できる人や場所があることも知らなかった。
もっと早く知っていたら、こんなに苦しまずに済んだのに・・・」と涙ながらに話してくださった患者さんがいました。
このような方を一人でも減らすために、多くの方にがんとお金の問題について関心を持っていただくために、メディアというのは非常に有効な手段です。
その一方で、情報を伝えることの難しさも痛感しました。
みなさんにお伝えしたいこと、知っておいていただきたいことは、本当にたくさんあるのです。
でも、それをすべてお伝えすると、受け手側が情報を処理できず、結局、何も残らない。
しかし、あまりにも情報が少なすぎると、誤解を生む恐れがある。
今回の出演で、情報の送り手が、受け手に合わせて、お伝えしたい内容を精査・整理し、正しくお伝えするということが重要なのだと学びました。
その上で、驚いたのはメディアの威力です。
番組では、「以前に加入したがん保険などでは、今のがん治療に適応できていない可能性がある。見直しやメンテナンスが必要」とお伝えしました。
すると、保険会社さんのコールセンターに電話が殺到。
がん保険の問い合わせや加入率もアップしたそうです。
けれども、前提として、がんの経済的リスクに備える方法は「保険ありき」ではありません。
加入先の公的保障や預貯金も重要なのです。
番組では、それもお伝えしたはずなのですが、「がん保険に入っていないので、心配です」というFAXも多く寄せられました。
丁寧にご説明していくしかないのでしょうね。心配な方は、一人で悩まずにFPに相談してください。
日本FP協会に所属するCFP®認定者だけでも全国に2万人以上いますから!
そして、最後に。
一緒に出演していただいた聖路加国際病院の山内英子先生にも感謝です。
番組が始まる前にかけてくださった英子先生の言葉が今でも耳に残ります。
「黒田さん、’患者さんのため’に頑張りましょう。多くの患者さんに黒田さんの言葉がきちんと伝わりますように。」
そう。CFP®認定者の倫理原則の第一は「『顧客第一』顧客の利益を最優先させなければならない」です。
これからも、誰のために活動するのかを常に意識して、切磋琢磨していきたいと思います。