みなさん、こんにちは。FP黒田です。
図表を提供した渡辺クリニック・渡辺院長が上梓された『60歳の現在地~20年後の認知症はもう始まっている~』(主婦の友社発売、イマジカインフォス発行)が送られてきました。
日頃から、高齢者の財産管理や医療・介護に関するご相談が多いので興味深く拝読しましたが、「認知症との戦いは、実は発症の20年前から始まっています」とのお言葉には深く共感します。
認知症の代表的な種類として「アルツハイマー型認知症」があり、この原因として、今最も有力視されているのが、アミロイドβという異常タンパク質の存在です。
脳内にこれが蓄積すると、老人斑というシミのようなものが溜まり、脳が委縮して記憶障害が起こると考えられています。
今年1月に新薬「レカネマブ」がFDA(米国食品医薬品局)に条件付き承認を受けて話題になっていますが、レカネマブはこのアミロイドβを標的にした薬剤。「アリセプト」など既存の薬が、発症に伴う神経伝達物質の分解を抑え、脳の働きを高める対症療法なのに対して、新薬は、原因物質であるアミロイドβに作用して認知機能の低下を抑える点が異なります。
<参考>
※エーザイ株式会社
抗アミロイドβプロトフィブリル抗体「レカネマブ」について、日本において早期アルツハイマー病に係る適応で新薬承認を申請
ただし、ネックになっているのは、投与の時期。アミロイドβが狂暴化(!)するタイミングから投与を始めるのが最も効果的だと言われているため、がんと同じく早期発見が肝心でしょう。
また、新薬あるあるともいうべき高額な費用も気になります(レカネマブの米国での販売価格は1人あたり年間2万6500ドル(1ドル134円では約355万円)。
アミロイドβは、認知症の症状が出る20~30年前から脳内に沈着をし始めるそうですから、50代の私も他人事ではありません。
がんだけでなく、認知症も早い内からの正しい知識と予防が大切ということです。